スエズ戦争とフォークランド戦争 まとめ
2つを比較しましょう。
どちらの戦争ともアメリカの関与の仕方がキー・ポイントでした。
しかし、その関与の仕方(英視点からすると関与のさせ方)は正反対です。
イーデン政権時はまだ大英帝国の記憶が残っていて、
米政権の影響力を軽視していたのに対して、
フォークランド戦争
米政権との連携を必須に考えていました。
スエズ戦争を一言でいうと、イギリス外交の失敗でした。
イーデンはアメリカとの関係を軽視し協力を引き出せなかったのです。
その当時、経済的、軍事的に頼っていたにも関わらず。
ポンドを多量に売られ、通貨危機に陥りました。
そしてそのアメリカから金融支援を受けるべく撤退しました。
このことはかつて大英帝国がいた地位に
アメリカが就いたことを明確に示しました。
事前に武力行使を非難されない環境を作らなかったりと、
各地に植民地を持ち、世界の大国であった
大英帝国的思考に基づいているともいえるでしょう。
スエズ戦争をイギリス外交の失敗とするなら、
フォークランド戦争はイギリスにとって勝利であり成功でしょう。
サッチャー政権は国際舞台でしたたかな立ち回りを見せ、
しっかりと味方を作ってから軍事行動に移りました。
これらの行動は、
覇権国であるアメリカ抜きではどうしようもないという現実と
スエズ戦争でのイーデン政権の失敗
を受け止めた結果の、最善策だったのです。
さて、以上で3編にわたる本テーマは終了です。
できる限り量を減らしましたが、それでも長編になってしまいました。
お付き合いありがとうございました。